正夢について

正夢というのは、近未来の出来事をありのままに予知している現象です。

はっきりした映像や音声をともない、時により現実に起こる出来事の象徴的な場面や場所、数字が現われることもあります。
切実な臨場感があり、目が覚めても現実と区別がつかないほど具体性があります。

たとえば肉親の死や事故を、夢主と縁故の深い場所や事物のイメージをともない、特定の人物が夢の中で語ったことが実際に現実になるような夢の現象です。

私自身の経験や数多くの夢解きから、予知夢というのは大きく3つの種類にわけられます。

・正夢や霊夢のようにダイレクトに伝えられるもの。
・デジャビュ現象、複数の人が同じイメージを夢で共有しているもの。
・典型夢(象徴夢)として間接的に伝えられるもの。

では実際に私自身の体験を事例としてあげてみます。

●96年2月に見た夢から

大きな老犬が広い水たまりで溺れていました。
私は途方にくれ岸辺で呆然としていると、突然、漁師だった昔の友人が水の中に飛び込んで犬を抱きかかえ、私のそばにやってきて笑っていました。
犬はずぶ濡れで、体の毛が老齢のためにところどころ抜け落ち、手当をしてやっても風をひいて死んでしまいそうな様子でした。
犬があまりにもかわいそうだったので、どうしてやることもできず、悲しい気持ちで家に帰りました。
周囲は私の実家の風景でした。

この夢がしばらくのあいだ、気になってしかたがなかったのですが、一週間程して実家の祖父の訃報を知りました。
肺炎をこじらせ一度入院したのですが、その月のもっとも寒かった夜、再び病状が悪化し他界したという話を聞きました。

これは典型夢(象徴夢)としての予知夢の事例です。

●チェルノブイリ(チェルノーブル)原発事故の数日前に見た夢から

その朝の夢は妙にリアルでした。
東ヨーロッパにいるということだけが確かでした。小さな町ですが、工業都市のような雰囲気の田園都市にいました。
たぶん出勤途中であろう人々はリアルで、声をかけてみようかと思ったくらいでした。
人々の髪は金髪というより透き通るようなシルバーでした。チェックの模様のあるスーツか作業服のような服そうの人が目立っていました。
そのとき突然、火の玉のような巨大な塊が、ガラスを溶かすように煉瓦づくりの建物の中から溢れてきました。
一瞬にして通りを歩いていた人達はばたばたと倒れ始め、向かいの学校の校庭で子供たちが逃げ回っていました。一人また一人と倒れていくようすがあまりにも弱よわしく哀れで、どうすることもできないまま私は大声 で泣いていました。

それから10年がたっても、この日の映像は頭の中に焼き付いていましたが、テレビで放映された未公開の事故現場の映像を観たときにはっきりしました。
炉芯からあふれ出した「象の足」と呼ばれる塊を公開していました。私はこれを観た瞬間にあの日の朝、夢の中でみたどろりとした火の塊とイメージがぴったり重なったのです。

●阪神大震災の10日前に見た夢から

震災の10日前に見た夢でした。
目が覚めたのですが、なぜかほんとうに起きている感じがしませんでした。時計を確認したらまだ5時前だったのですが、テレビを消し忘れていたのか(確かに消したのだが)NHKの朝の天気予報が流れていました。
しばらくするとニュース速報がありました。
マグニチュード8以上の地震が起こったというのです。そのあと、燃え上がる都市が映っていました。どこで起こったのか聞きのがしたのでNHKに問い合わせようとしたところで今度はほんとうに目が覚めました。

そして大震災の4日前、ちょうど連休を前にした金曜日の朝でした。また同じような状況の夢を見ました。ところが今度はニュース速報は一向に流れず、ただ私はテレビの天気予報をみているだけという夢でした。
嫌な感じの夢でした。

不思議なことに連休中は決まって毎日5時前後に目が覚めました。
眠れないのでほんとうにテレビをつけて天気予報をながめるだけという行為を繰り返していました。
そうしているうちに連休は終り、出勤日の朝がやってきました。その日も5時前には目が覚めていました。
チャンネルはNHKをつけてただぼんやりながめていました。
しばらくすると、10日前の夢の状況が目の前にありました。

ニュース速報が流れていたのです。現地の状況がまったくわからないので映像が入り次第それを伝えるという内容でした。実際に震災の映像を見たのは、私が仕事を終え帰宅してからでした。

これがチェルノブイリ原発事故以来、私がよく見る正夢のパターンです。ニュースをみるように強烈な印象を伴っています。
おそらくこれは、世界でどこよりも早くニュースを手に入れられる最速の通信手段ではないでしょうか。


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