2:なぜ歯ならびが悪くなるのですか? 2:子供の顔・体型が親に似るように遺伝的な ものもあります。また、指しゃぶりなどの 癖や虫歯などで歯を抜いたままにしたことが 原因で後天的に歯ならびを悪くすることも あります。また、食生活の変化により、顎が 十分に発育しないので、歯ならびを悪くする 傾向にあります。扁桃腺・アデノイド・アレ ルギ−性鼻炎などで、口を開けて息をする ために起こると考えられる不正咬合もあります。3:何歳頃から、相談したらよいでしょうか? 3:症状によって、治療開始時期が違いますので、 気づいた時点で、なるべく早くご相談される ことをおすすめします。かかりつけの歯科医院が ありましたら、まず歯科医師に相談ください。
4:乳歯列でも矯正治療が必要ですか? 4:上下の顎の骨のバランスが悪い場合、 特に受け口や下の顎が左右に曲がっている場合、 乳歯列でも矯正治療することがあります。 また指しゃぶりなどの悪い癖によって起こる不正咬合の場合にも、 できるだけ早く原因を取り除くために治療することがあります。
5:大人でも治療できますか? 5:基本的には高齢の方でも、矯正治療は可能ですが、 虫歯や歯槽膿漏が治療されて、健康な口の中である必要があります。 また、子供に比べ、骨が硬く、歯の移動が遅くなります。 さらに、顎の成長発育を利用できませんから、 矯正治療のみでは限界となることもあります。その場合、 外科の手助けをかりることもあります。
目次へ戻る 6:矯正治療の期間はどのくらいかかりますか? 6:症状や年齢によって違います。 永久歯列で、上下の顎のバランスに大きな問題がない場合、 ふつう2年〜3年くらいで、その後約1年ほど後もどりしないように、 保定する期間が必要です。 子供の受け口や出っ歯の場合には、 第1段階の治療(上下の顎のバランスを整える)を1〜2年、 第2段階の治療(永久歯列での仕上げ)を2〜3年、 おこなうこともあります。 矯正治療は永久歯列が全部きれいにならび、顎の成長発育が落ち着いて はじめて終了となります。 その間、必ずしもずっと装置が必要なわけではありません。
7:矯正治療の費用は? 7:矯正は、口蓋裂など特殊なものを除き保険が適用されません。 費用は症状・治療内容により異なり、また地域によっても異なります。 相談や治療計画の説明の時に、納得のいくまでおたずねください。8:歯ならびを治すために、歯を抜くことがありますか? 8:なるべく大切な永久歯を抜かないようにと努力しますが、 顎が小さかったり、逆に歯が大きすぎる場合、 治療後の噛み合わせと歯ならびの安定の面から、歯を抜く機会が 多くなっています。 八重歯など重なりのある歯は、その後ろの歯を抜くこともあります。 抜いたところの隙間が残ることはありません。
9:どのくらいの間隔で通院するのですか? 9:口の中に装置が入った場合、通常3〜4週間に1回程度です。 歯や骨の反応を確かめて、安全確実に治療するためです。 第1段階の治療のあと、歯の生え代わりを観察する期間や、 保定する期間では、3〜6か月に1回の通院となります。 予約日を守ることは、早く治ることにつながります。 決められた通院日には、忘れず来院しましょう。
目次へ戻る 10:矯正治療中の痛みはどうですか? 10:装置をいれたときや、装置を調整したとき、歯がすこし浮いたような 痛みを感じます。(痛みを感じない人もいます。) 痛みの大きさや時間、その不快症状には個人差がありますが、 通常3〜5日程度でおさまります。 軟かいものを食べたり、歯ぐきを指で軽くマッサ−ジしたり、 塩湯を口に含んだりすることで、楽になります。 小学生低学年の子供でも我慢できる程度です。あまり神経質になる 必要はないと思います。
11:矯正治療中、食事は普通にできますか? 11:2〜3日を過ぎれば、今まで通り食事ができます。 ただし、装置を壊す恐れのあるかたい物(堅いおせんべいや 氷の丸かじり)や粘着性のあるもの(ガムやキャラメルなど)は、 さけるようにしてください。
12:装置をつけて、発音が不明瞭になりませんか? 12:最初はすこししゃべりづらくなりますが、 慣れてくれば普通にしゃべれるようになります 逆に矯正治療が終わって、舌を含む口の周囲の機能が正常になり、 発音がよくなる場合もあります。
13:口の中に装置が入っても、スポ−ツや吹奏楽器はつづけられますか? 13:楽器はつづけられるものもありますが、場合によっては、 指しゃぶりと同じような力を歯や顎のかけることもあり、 治療のための歯の動きを妨げることもあります。 柔道や空手のような激しいスポ−ツでは、くちびるの裏側を 装置で傷つけたり、装置をこわすおそれがあります。 あらかじめ歯科医師とよく相談してください。
14:歯みがきは、今まで通りできますか? 14:歯みがきをして、装置がこわれることはありません。 汚れがつきやすいので、教わった方法で、今まで以上に ていねいにみがきましょう。
目次へ戻る 15:矯正治療中、虫歯になることはありませんか? 15:装置により、口の中が複雑になり、虫歯になりやすい環境です。 しかし、教えられたとおりきちんと歯みがきすることで 防ぐことはできます。なにより患者さんのやる気が大切です。 もし、虫歯ができてしまうと、装置をはずして虫歯の治療を しなければいけないので、治療期間が長びいてしまいます。
16:矯正治療は受験勉強の妨げになりませんか? 16:矯正治療による精神的・肉体的負担は個人により大きく異なります。 治療が負担となるようなら、受験後に治療を開始することも可能です。 治療を受ける本人、家族の方、歯科医師との間でよく相談して、 できるだけ負担にならない方法や適切な時期に治療を受けるように してください。
17:装置をつけることで、いじめられたり、からかわれたりしませんか? 17:近年、日本でも矯正治療は普及しましたので、 装置をつけているためだけで、からかわれることはまずありません。 逆に、悪い歯ならびのためにからかわれたりすることはあります。 よりよい状況のために、本人も含めて家族のがんばりが必要です。
18:矯正治療中に、転勤になった場合はどうなりますか? 18:転居先の先生をご紹介します。 治療を継続していくために必要な資料(X線写真・歯の模型・ 治療の記録など)を作成しますので、早目にお申し出下さい。
19:目立たない方法で治療できますか? 19:歯の裏側へ装置をつけて、外からはほとんどわからずに治療する 方法があります。また乳白色や透明な装置を使用することもあります。 しかし、これらの場合、どの症状にも応用できるわけではないですし、 費用及び治療期間は余分にかかります。 よく相談して判断してください。
20:矯正治療をはじめるには、どうようなことをするのですか? 20:まず、初診相談となります。顔や口の中を診査して、診て感じたこと と、矯正治療の一般的な話や注意事項等をお話して、 納得いただければ、検査の予約となります。 検査は、歯型(模型)、顔や顎や歯のレントゲン写真、口の中と 顔の写真をとり、その他必要な資料を採ります。 後日、それらの資料をもとに総合的に診断した結果の説明を行います。 問題点を提示し、いつの時期に、何を目標に、どのような装置で治療 するか、また費用についても説明します。
目次へ戻る このQ&Aを作成するにあたり、 ・大野 粛英他:みんなの矯正−スタ−トからゴ−ルまで−、わかば出版 ・清水 義之他:別冊 the Quintessence 目で見るお口の百科 家庭の歯学、クインテッセンス出版 ・矯正PRガイド、ト−ヨ−メディカルシステム社を参考にさせていただきました。 イラストは富山DH会歯科保健イラストカット集から改編