鎌倉時代の庭園




「鎌倉時代の庭園」



鎌倉時代の庭園の特色

鎌倉時代の庭園は、先の平安時代の庭園と同じく浄土式の池泉庭園でありながら、初期の段階では池泉舟遊式であったものが、後に回遊式となっていく。広い池庭に蓬莱島や鶴島、亀島などを配し、そしてまた西芳寺の枯滝石組や夜泊石,鹿苑寺における蓬莱島その他における石組において、三尊石組の手法がでてきたりという変化がでている。特に三尊石組による非常に豪快でありながら,卓越した意匠が残されている。次の室町時代の庭園手法に対する付箋でもある。このような変化は初期の段階では、寝殿式、すなわち作庭記流の庭に対して、書院式の要求による武家好みの別派が起こって、革新的な庭に対する要求がでてきたためである。



西芳寺庭園(通称”苔寺”)

西芳寺
上部枯滝石組





西芳寺
上部枯滝石組





西芳寺
上部枯滝石組





西芳寺
夜泊石





一般には夢窓国師作庭と言われているが、庭園の細部(作庭記流の霞形の中島や地割など)と、文献等を調べていくと,鎌倉時代の作庭ではないかと思われる。池庭の地割は申し分なく州浜形の池畔の線は,まるで大和絵的である。北西部の小池に直線上の夜泊石がある。また上部に枯滝石組があるが、この石組の前に立つと、実際に水が流れ落ちてくるような気がするほど、実に巧みでありながら豪快な石組である。



所在地京都市右京区松尾神ヶ谷町
作庭年代鎌倉時代
様 式池泉回遊式,枯山水
社寺名臨済宗洪隠山西芳寺

注意!! 西芳寺庭園は、普段は一般公開しておりません。申し込みをして,当日拝観料と写経などをすることによって拝観することが出来ます。


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