デジャ・ヴュ(既視体験)について これは初めて見た景色を以前どこかで見たことがあるように感じる体験のことを いうのですが、私たちの内的な世界は既に現実の世界と遭遇しているのです。 デジャ・ヴュ(既視体験)は一種のテレパシックな体験と言えます。 どこかで見たことがあるという奇妙な感情は運命的ななりゆきに身をまかせてい るときにも体験します。 現象として、予知夢のようにテレパシックに現われることもありますし、ビジョ ンではなく「どこかで出会ったことがあるような」感覚として感じられることも あると思います。 過去や未来の映像、感情、様々な情報が渦になって、魂を揺さぶるとき、自分の 運命と出会うことになるのかもしれません。 遠くから景色を眺めていると、その場所まで行ってみたくなることがあります。 近くに行こうとするのですが、たいていの場合、最短距離では行けず、回り道を しているうち遠くで眺めていた光景を忘れてしまいます。 目的の場所に近づくにつれて、遠くで全体を眺めていた視点からより狭い世界 (私たちが日頃感じている現実感)へと感覚が変化していきます。 その場所にさしかかって初めて、断片的な印象で「どこかで見たことがある」感 覚としてあの風景を思い出すことになります。 既視感とはまさにそういうものかもしれません。 意識するしないにかかわらず、私たちにとって自分自身と出会う大切な体験のよ うに思います。 遠くで見ていた風景や人は、あらゆるかたちでいつか私たちの目の前に現れるこ とでしょう。 運命を、人生をよりよい方向に導くために、たとえ今がつらい時期であったとし ても、そこを通りその出会いをはたさなければ、次に目指すべきすばらしい風景 はきっと見ることができないでしょう。 夢の世界という特別な世界があるというより、夢がコミュニケーションを実現す るある種のネットワークとなり、私たちが既に知っていると思いこんでいる現実 や未知の現実とつながっていると考えた方がわかりやすいかもしれません。 夢の世界というのは身体、環境、過去、未来、未知の領域も含めた私たちの魂の 表現そのものです。 私たちはいつも5感に縛られていますが、実際にはもっとたくさんの感覚が存在 しています。 海や空のように私たちがほんとうに知っている世界はもっと深くて広いものかも しれません。 参考までに私の体験をご紹介します。 眠り男の体験: 20代の半ばに見た夢です。 「宇都宮○○○」と書かれた赤いアーチを抜け、奥の建物を見学にいくという夢 を見ました。途中トイレに行きたくなり、トイレの場所を探します。 ようやくトイレを見つけたところで目を覚ましました。 その日出勤をしたところ、すでに予定されていた仕事があったのですが、「急で 申し訳ないが宇都宮に行ってくれ」と言われました。 宇都宮に行くのは、それが最初で最後のことでした。 ちょうどある場所にさしかかったところで、大きな赤いアーチが見えてきました 。すぐにそこが目的地だとわかりました。 さっそくトイレに行こうと思ったときに、夢で見た経路を思いだし、そのまま行 ってみたところ、そこにはまちがいなく夢で見たトイレがありました。 私は実際、その時期から海外で仕事をしたり、初めての土地に行く機会が多くな りました。そして、このような現象を頻繁に体験しました。 |