AIDS薬害事件ににおける医師の責任は?

aids AIDS薬害事件についての個人的見解です。

非加熱輸入血液製剤によってAIDSに感染した多くの方がいます。 責任の大部分は製薬会社と厚生省にあります。そして、 製薬会社と厚生省は被告として裁判の法廷やマスメディア上で追及され ています。そういえば、厚生省の元課長の先生も告発されていました。 しかし、患者の主治医はなぜかだれひとりこのような追及を 受けていません。それでは非加熱輸入血液製剤を投与した医師は 全く過失がなかったのでしょうか。明らかにそうではありません。 医師の責任が追及されていないのはどう考えても公正ではあるとはいえません。
一般に血液製剤を使う医師は、感染症に充分な注意を払う義務があります。 当時すでにアメリカではAIDSは流行しており、血液疾患の専門家であれば非 加熱輸入製剤が危険なことは容易にわかったはずです。それがわからなければ、 医師としての能力の無いことの証拠です。あるいは注意義務違反です。 製薬会社が大丈夫と言ったなどは理由になりません。血液疾患専門家とは いえません。また、もし製剤の危険がわかっていて使ったのであれば、 言語道断です。理由は製薬会社とのつきあいとか、上司の命令などでしょうが、 患者の権利をないがしろにしたことは明らかです。 医師としての資格はありません。

またこれら直接関与した以外の医師や、大学、学会関係者でAIDSの 情報を得ていながら、学会や報道機関で積極的に公表したりしてそれ以上の 被害の拡大を(防ぎ得たのに)防がなかった人たちも責任があります。 実はこの最後の人たちに責任があるとは私は思っていませんでした。確かに 厳しい見方です。しかし、あの川田龍平君のお母さんが民医連の雑誌の インタビューに答えていた記事で、危険を知り得た医師たちがもっと もっと働きかけて「血液製剤は危険なのだから、国としてきちっ と対策をたてるべきだ」ということを 声に出してほしかったと言っていました。
(全日本民医連共済組合発行 共済だより1995年第186号)
一般に医師が別の医師の治療法に改善を要求したり、批判したりするのは 大変なことです。 でも少しは患者の味方の医師がいてもいいと思います。インターネットなど 日本では少数の人しか見ていないと思いますが正しいことを自由に主張できる 場所でもあります。相互の批判、評価を積極的にやりたいものと思います。 正義の味方がふえてもいいのではないでしょうか。

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1996年5月12日更新